2007年02月25日
九段
九段の山種美術館で千住博展と靖国神社で遊就館見物。遊就館は言われているほどではなかった。が、そもそも第二次大戦の戦没者を「今日の平和と安定の礎を築いた」と評価する出発点(「英霊」として祀る機関なのだから仕方ない)と、節々に歴史認識をやや歪曲する視点(日本の南部仏印進駐はフランスの合意を得ていたことが強調されるが、それはヴィシーという注釈がない)があることには間違いない。こういった機関がこういった博物館をつくればそうなることはやむを得ない面もあり、むしろ問題はこれ以外にいわゆる戦争博物館が見当たらないことだ。靖国神社は当初東京の都市圏の境界にあった防火用の広大な空間を活用したもので、明治30年頃までは娯楽・祝祭の空間であったということを知ったのは収穫であった。また、年来の疑問であった戊辰戦争において官軍が着用していた長髪の鬘のようなかぶり物について、それが「しゃぐま」というもので、かぶった理由は結局不明のままではあるが、仏教の僧侶が読経の際などに手に持っているものと同じであることを知った。ちなみに、ヤクの毛でできているらしい。