2007年03月27日
日本不在のソラナ演説
2月20日付AN紙にキャリーされていたアメリカでのソラナ演説を読んでいて面白かったのは、「多国間主義」のリアリスト的側面が垣間見えた点だ。14日のアーサー・バーンズ・メモリアル・ディナーの場でなされた演説内容として伝えられた内容は、例によって多国間主義を称揚する内容であったが、そこでふれられた(潜在的・将来的)パートナーとしてあげられた国々が、まず中印両国、次いでメキシコ、韓国、南アである。日本がないことにおやと思ったわけだが、昨年末来NATOが関係を強化しつつある日豪両国が見事に落ちているとも言えるのだな。NATOのパートナーシップは「価値」を掲げる米外交や日本外交と表裏一体であることを考えあわせると、その裏側である「パワーの分布」重視路線を垣間見せているのかもしれない。そうだとすれば見事にリアリスト路線である。ただし、同演説の中でこれらの国々が取り上げられた趣旨は、これから国際社会の主要な舞台に登場する(させる)ことになる国々とのことであり、G8に入っている日本を外したのはそういうことかもしれないが。